Kickstarterで立ち上がったプロジェクト YASHICA Y35(リンク先はKickstarterページ)


前回はカメラの使用感と、各digiフィルムの風景サンプルを紹介しました。
今回は屋内での撮影サンプルと、街中スナップでの使用感について書きたいと思います。
(今回、小物系の紹介もしようと思ったのですが、商品間に合いませんでした)

その前に、第三回目で初めて、このカメラのスペックを。

■ YASHICA digi Film camera Y35
・ シャッタースピード 1/30 sec to 1/6000 sec (一秒間露光モード有り)
・ 中央測光
・ 絞り2.0
・ 画角 35mm相当
・ 最小焦点距離 100cm
・ フィルタ径 37mm
・ 1/2.5 inch CMOS センサー
・ 14メガピクセル
・ ±2 EV
・ 保存形式 jpeg

このカメラは前回ご説明した通り、露出以外は自分で何もいじれません。
レリーズボタン長押しで1秒間の露光モードに変えられるものの、F値は2.0固定でISOやピント合わせもオートで設定されます。そこで、このカメラの最大の遊び心であるdigi Filmを変えることで、自分の好みに合わせた写真を残せるのです。

って事で、各digi Filmの内容を見ていきます。

■ digi Film 200 :
・ ISO 100 - 400
・ シャープイメージ
・ スタンダードカラーバランス

 digi Film 1600 :
・ ISO 300 - 600
・ フィルムグレインエフェクト
・ 動きの早い被写体を撮影する

 digi Film 6×6 :
・ ISO 100 - 400
スクウェアフォーマット
・ 黄色がかった温かい色調

■ digi Film B&W :
・ ISO 100 - 1000
・ 動きの早い被写体を撮る
・ フィルムグレインエフェクト
・ ハイコントラスト
・ ブルーがかったモノクロ調フィルム

 digi Film YASHICA blue :
・ ISO 100 - 400
・ フィルムグレインエフェクト
・ ブルートーン ムーディーな色調

■ digi Film in my fancy :
・ ISO 100 - 400
・ 暖色系の色調
・ フィルムグレインエフェクト

白黒が一番ISO感度を上げられるようです。
ややこしいことにdigi Film 1600は、ISO1600まで上がる訳ではないようです(笑)

フィルムグレインエフェクトと言うのは、筆者もフィルムに詳しくないのでざっくり説明すると、粒子状の粗い画質をわざと加えるエフェクトのようです。わざとノイズを加える事で、昔の写真のような写真が撮れるみたいですね。

気になったのはセンサーサイズよりも最小焦点距離100cm。
画角が35mmと言うのも相まって全然寄れません(笑)これからご説明しますが、室内撮りや小物を撮るような用途には全然向いてません。

文章よりもサンプルで説明していきますね。
digiフィルムは標準性能のdigi Film 200で、露出は±0です。


■ 室内撮り検証 ■

まずは自宅の廊下にて。
Y35_0019
ISO 303 シャッタースピード 1/31

廊下のスポット照明で割と良く写ったほうですが子豚ちゃんにピントが合ってません。焦点距離100cmと言う制限は我が家の廊下では無理があるようです。レンズの歪みも顕著に出てますね。
Y35_0024
ISO 114 シャッタースピード 1/31

部屋の照明だと周辺光量が落ちてるのがわかります。
寄れない上に画角が35mmと広いので、額縁までしか見せたくないのに上のエアコンのコードやら壁の汚れとかが見えちゃってます。お見苦しくて恥ずかしいんですが、良いサンプルなので。

屋内の光量でも割と良く写るんだなという印象はあるものの、距離が取れないとやはり辛いです。
ただ、被写体をこういった小物では無くポートレートとしてなら、味のある写真が撮れるかもしれません。

次に小物を撮ってみました。
我が家の体長7cm程の天使さんにご登場願いました。
光源は室内の天井照明のみです。
Y35_0010
ISO 174 シャッタースピード1/31 露出±0

・・・うん。
少しでも見やすくしようと白いシーツにもご登場願ったのですが、シーツのシワが目立ちますね。
シーツだけじゃなくてアイロンも買わなければいけなかったですね。

それはともかくとして、天使さんを切り出してみましょう。

1
天使さんの表情が潰れてしまってます。

Y35_0007
ISO 400 シャッタースピード 1/31 露出+2

露出を+2まで上げればシーツのシワも目立ちませんね
細部のディティールは変わらないものの、露出による効果は期待できそう。

フルサイズのカメラと比べてみましたが、画角の35mm相当と言うのもちゃんとした数値のようです。

室内撮りは焦点距離と画角の問題から、小物撮影には向かない事がわかるかと思います。
勿論、お料理撮影とかも上記問題から不向きです。

これを解消するのにクローズアップレンズを使うと言う手がありますが、今回注文していたレンズが届かなかったので、これはまたの機会に。



■ 街中スナップ検証 ■

焦点距離1mあって、画角が35mm。
スナップ向いてるかもしれないと、新宿のゴールデン街を歩いてきました。

先にお詫びしておきます。
撮影は大失敗に終わりました・・・

前回でもあった「どこ撮ってるの現象」が今回盛大に起きてました。
撮った写真の9割が地面ばっかりと言う絶望を帰宅して味わったのです・・・

こんなのとか↓
Y35_0093

こんなのが大量に・・↓
Y35_0075

その原因は、筆者がシャッター音に惑わされていたからだと思います。
もしかしたら別の要因があるかもですが、室内で試した感じだときっとそう。

このカメラ、レリーズを押すと「カシャッ」と電子的な音がするんですが、実際にシャッターが降りているとは限らないのです。

カメラ背面にあるパイロットランプが、青色から赤色に変わるとシャッターが切れるようになるんですが、シャッターを切るとランプは青色に変わり、1~2秒でまたシャッターが切れるように赤色に変わります。つまり、この青から赤に変わる時間のどこかで、実際のシャッターが切れているようなのです。

解決策は、シャッターを切ってランプが再び赤になるまで構えているしかありません。

これを知らず、筆者は気取ってフィルム風カメラを構えてゴールデン街を撮影していた訳です。
・・うう・・凄い恥ずかしい・・・

上記理由からこのカメラ、瞬間的なスナップには不向きです。
シャッター押して1~2秒の間のどこかで実際に撮影されているとなると、狙った瞬間を狙えないからです。以下は失敗の中でも割としっかり撮れた作例。

digiフィルムは今回B&W一つしか持っていきませんでした。
Y35_0052
ISO 100 シャッタースピード1/215 露出-1

ファインダーからだと細路地の中心に合わせたつもりだったんですが、左に寄ってますね。
これは実際のレンズがのぞき窓に対して右側に付いているから。
手前がボケてしまっているんですが、焦点距離1m取れなかったからです。

Y35_0085
ISO100 シャッタースピード1/567 露出-1

これもやっぱり左に寄ってしまってます。
上に煽ったので歪みが盛大なのと、本体の軽さとレリーズの戻る反動の強さで傾いちゃいました。

レリーズが戻る時にシャッターが切れるので、ぐっと構えて ” 指を離したら右側が浮く "事を意識すると改善できるかもしれません。(筆者はやってたつもりでしたが駄目だったようです・・)

Y35_0070
ISO 100 シャッタースピード1/143 露出±0

これは完全に失敗・・と言うか、シャッターが切れたと思って気を抜いた瞬間にシャッターが切れた写真なんですが、普通に撮るよりきっと面白く撮れた作例として上げました。

偶然と言う面白さも、このカメラを使っていて楽しめる所かもしれません。

その代わり、意味のわからない地面写真も大量生産しますが。



■ 今回の感想 ■

実用はともかく、『玩具』としてはとても楽しめるカメラだと思います。
しっかりと作り込まれている訳では無いけど、その分普段撮れない写真が撮れる。
フィルムカメラのように撮れるものの、フィルムカメラでは有り得ない不具合が多々ある所も玩具として見れば愛嬌でしょうか。

日本国内ではVillageVanguardのサイトでも購入可能になったようでが、価格を考えると色々な意味で『大人の玩具』だと思います。(リンクはVillageVanguardのページ)

色々と許容できなければ、ストレスが貯まるだけのカメラにしかならない。

ただ、それらを踏まえた上でこのカメラを見ると、唯一無二と言っていい楽しさがある事も事実です。

そうそう、今回のお小遣い稼ぎ。
今回先に届いた小物でこんなの買ってみました。



ねじ込み式のレンズキャップです。
Y35のレンズキャップははめ込み式で、使っている内にガバガバになってすぐに外れてしまうようになったからです。

装着前
DSC_0124

装着後
DSC_0127

アングルを変えて
DSC_0130

少しだけ高級感が出た気がします(笑)

レンズキャップにYASHCAの文字が無いのは寂しいですが、中々良くないですか?
ストラップとか、こういった小物でも自分カスタムすると愛着湧きますよね。

と、言う訳で今回はここまで。

小物が届いたらまた記事にしますね(^^)


■ 関連記事 ■
【カメラ】あの問題のカメラがついに届いた話 その1【クラウドファンディング】
【カメラ】あの問題のカメラがついに届いた話 その2【クラウドファンディング】
【カメラ】あの問題のカメラがついに届いた話 その3【クラウドファンディング】


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